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議会活動

守口市議会 令和2年6月

私道の給水管理設時の承諾書撤廃と条文追加について

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その他

水原

次に私道の給水管埋設時の承諾書撤廃と条文追加について伺います。

守口市水道局では、現在、私道に埋設している配水管から申請者の建物への引込工事を行う場合、地権者の権利保護と、地権者と工事申込者の間でトラブルが発生することによる給水管埋設への支障防止のため、工事事業者に土地所有者の掘削承諾書を得ることを求めております。この「承諾書の提出を求める手続き」は、給水装置工事の円滑な施行に資するものではありますが、地域社会の変質に伴い、昨今ではトラブルの原因となっているような事象も見受けられます。

この件に関して、平成29年9月定例会において上田敦議員から、承諾書の撤廃と正当な理由がない限り土地の使用の申し込みを承諾することを拒んではならない旨を条例に明記することについて質問されました。
水道事業管理者は「今後も現行の制度運用により対応してまいりたいと考えております。」と答弁されています。

しかしながら、昭和55年12月24日の「奈良市水道供給等請求事件」奈良地裁判決によれば、給水管埋設工事を行うことの承諾について、給水装置工事をなす主体である申込者が、その土地所有者との間で調整すべき問題であり、水道局とその土地所有者との問題ではないと言わなければならない旨が判示されています。

また、他市の例を見れば、京都市においては、平成27年度から、水道条例では「他人の土地を使用しなければ当該工事を行うことが困難である場合において、その土地の所有者に対して、当該工事のために合理的に必要と認められる限度においてその土地の使用の申込をした時は、その土地の所有者は、当該使用を認めた場合に生じるその土地への影響その他の事情に照らして正当な理由がない限り、当該申込を承諾することを拒んではならない」と明記されており、手続き上も、土地所有者の掘削承諾書は求めず、申請者から「給水管の埋設に関して、土地所有者等から異議があった場合には、給水申請者の責任で解決する」旨を明記した申請書類を提出すれば足りることとされています。

大阪府内においても、土地使用者の同意書を不要とし、誓約書の提出のみで工事を承認するという制度を導入している自治体は増加しつつあり、現在、大阪市、堺市、箕面市、東大阪市、松原市、岸和田市、貝塚市、泉佐野市の8市となっています。
地権者の権利保護や地権者と工事申込者間で発生するトラブルによる給水管埋設への支障防止を重視する現行制度の意義は十分に理解できるところです。

しかしながら、少子高齢化やライフスタイルの変化等による地域コミュニティの変質は著しく、その結合は残念ながら年々緩まりつつあります。
このため、以前であれば「お互い様」ということで円満に得られていた承諾も、代償として金銭を要求される等の事案も散見されるところです。
それどころか、地権者が市外に転出し、そもそも連絡が付かないという事案も見受けられます。
このような社会情勢の変化に的確に対応するためには、あくまでも土地所有者の同意を得ることを前提とし、その上で、他市の事例も参考に、より柔軟な制度運用によって、工事手続の簡素化と関係者の負担軽減を図るべきではないでしょうか。

具体的には、水道条例に「他人の土地を使用しなければ当該工事を行うことが困難である場合において、その土地の所有者に対して、当該工事のために合理的に必要と認められる限度においてその土地の使用の申込をした時は、その土地の所有者は、当該使用を認めた場合に生じるその土地への影響その他の事情に照らして正当な理由がない限り、当該申込を承諾することを拒んではならない」という旨を明記するとともに、工事申込者が「この工事に関する同意は既に得ているが、利害関係人その他の者から異議があっても、すべて申込者の責任において解決する。また第三者に損害が生じても、水道局は一切責任を負わない。」という旨の「工事申込者の誓約書」を提出することにより、土地所有者の掘削承諾書の提出に代えられるよう管理規程の改定を行うべきと考えますが如何でしょうか。

このようなやり方であれば、正当な理由があれば承諾を拒否することができる訳ですから、土地所有者の権利を侵害することもなく、工事手続の簡素化と関係者の負担軽減を実現することができます。
市の見解を伺います。

答弁

私道の給水管埋設時の承諾書についてでございますが、水道局といたしましては、工事申込者と土地所有者の当事者間での紛争の防止や工事を円滑に施工する観点から、承諾書の提出をお願いしているところでございます。

しかしながら、土地所有者が居所不明などの原因で、承諾書の取得に至らないケースが存在することも事実であり、そのような場合においては、従前から承諾書に代えて、工事申込者からの誓約書の提出をもって工事申込みの承認を行うなど臨機に対応しております。

従いまして、条文の追加につきましては、当事者間での協議や同意といった行為は必要であり、土地の所有権についても守られるべき市民の権利でありますことから、今後も現行の制度運用で対応してまいりたいと考えております。

水原

【再質問】
前向きな答弁を頂きありがとうございます。
只、水道給水管について、条例による法的根拠が不明確なままに臨機の対応を行うのは、依頼者、地権者双方の法的立場を不安定にするのではないか。等の様々な問題があります。
今後、議論を積み重ねさせて頂きたいと思いますので、宜しくお願い致します。