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議会活動

守口市議会 平成30年12月定例会

小・中学校のエアコン設置促進について

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地方創生

水原

市立小・中学校へのエアコン設置について伺います。

私は、少子高齢化が進むわが国において、未来を担う子どもたちのために充実した教育環境、生活環境、保育環境を提供することは、地方公共団体にとって最も重要な責務であると認識しております。
市長が進められている幼児教育・保育の無償化も、子どもたちを取り巻く生活環境、保育環境、そして教育環境の充実と両立させることで、子どもたちの増加による本市の持続的な発展という大輪の花を咲かせることができるものと考えているところです。

子どもたちを取り巻く環境の充実、向上は、様々な施策を連携して進めなければ大きな効果を挙げることはできませんが、その中でも、児童・生徒が安心して学ぶことができる安全な学校づくりは、最も重要な施策の一つと言えるのではないでしょうか。

本日は、まず、その観点から幾つかの質問、提言をさせていただきたいと思います。
本市におきましては、西端市政のもとで、学校施設の整備が急速に進んでいます。
全国最下位だった学校耐震化率が100%を達成したことをはじめ、統廃合による新校舎の整備、エアコンの段階的な設置などについて、市長におかれましては、国の財政的、人的な支援も活用しながら、スピード感を持って進められていることに心から敬意を表します。

この中で、エアコンの整備につきましては、西端市長におかれては選挙の公約にも掲げられていましたが、
市長に当選された平成23年度、そして24年度の間に総事業費10億4475万の費用をかけて守口市立の小学校18校、中学校9校 計27校の普通教室、支援教室、コンピューター室、職員室、事務室、校長室、音楽室の全てにエアコン整備を実施し、公約を実現されました。

この平成30年度は統計史上に残る猛暑であり、消防庁の発表によれば、5月~9月の熱中症による救急搬送者は全国で9万5,000名を超え、初診時における死者だけで160名、重傷者を含めれば2,200名にも達するとのことです。大阪府内の緊急搬送者だけでも、7,100名以上となっています。

小・中学校にエアコンがなかったら守口の子どもたちがどうなってしまったか、考えるだけでも恐ろしいことであり、エアコンを整備したことにより、子どもたちの生命、健康が守られたと言っても過言ではないでしょうか。

国においてもこのような状況を重く受け止めており、文部科学省においては、平成31年度予算の概算要求で、公立小学校の施設整備に平成30年度当初予算の3,5倍にあたる約2,400億円を盛り込んでいると仄聞しております。

そこで、提案させていただきます。
最近の猛暑を踏まえ、これまで取り組んできたエアコン整備の取り組みについて、国の施策とも連携して更に前に進め、市内全小・中学校の理科室、図工室、被服室、調理室、美術室、技術室といった所謂「特別教室」にもエアコンを整備されてはいかがでしょうか。
児童生徒が安全・安心に学業に取り組むことができるようにするため、必要不可欠な事業であると考えますが、教育長のお考えをお聞かせ下さい。

「特別教室」と同様、小・中学校体育館のエアコン整備も重要な問題です。
体育館は、児童・生徒が多くの時間を過ごす施設であるとともに、災害発生時には避難所としても機能する施設です。
市長におかれましても、その重要性を強く認識し、施設の耐震化や統廃合による新校舎の整備に積極的に取り組まれて来られたものと認識しております。

一方で、最近の猛暑を踏まえれば、教室等だけではなく、体育館についてもエアコンを整備することで、児童・生徒や災害発生時に避難された市民の皆様方の安全・安心を守る取組を更に進めることが重要と考えます。

また、平成28年7月に文部科学省の有識者会議「熊本地震の被害を踏まえた学校施設の整備に関する検討会」の緊急提言でも触れられているように、避難所として機能する小中学校の体育館のエアコン整備は、防災・減災の観点からも喫緊の課題です。

ここで一つ先進的な事例を紹介させていただきますと、先日、私は、自民党大阪府連青年局の勉強会において箕面市を視察して参りました。
箕面市は、平成24・25年度に国の緊急経済対策(平成24年度補正予算)を活用して小・中学校の普通教室等にエアコンを設置、平成29年度には国の経済対策(平成28年度第2次補正予算)を活用して小・中学校の特別教室等にエアコンを設置しました。
併せて、国の緊急防災・減災事業債の対象事業が拡充され、指定避難場所におけるエアコン設置が対象として追加されたことを受けて、小・中学校体育館の避難所としての機能性の向上を図ることを目的として、エアコン及びエアー搬送ファンを設置したところです。

この緊急防災・減災事業債は、地方債の充当率100%、交付税措置として元利償還金の70%が後年度の普通交付税算定の基準財政需要額に算入することができます。つまり、市の実質的な負担割合は、市負担額の3割で済むのです。
箕面市には、小学校12校、中学校6校、小中一貫校2校があります。エアコン設置費用は、小学校では、床面積平均740㎡、1校当たり6台、3億9063万6千円、中学校・小中一貫校では、床面積平均1480㎡、1校当たり10台、3億7445万1千円、総事業費7億9300万6千円でした。
市債の7割が交付税措置をされますので、実質的な市負担額は、元金部分については2億4,000万円弱となっているのです。

このように、非常に有利な緊急防災・減災事業債ですが、活用可能な事業年度は平成29年度から平成32年度となっております。

現在、私が所属している自民党大阪府連青年局としては、より多くの地方公共団体において緊急防災・減災事業債を活用し、住民の皆様の安全・安心を確保・向上させることを目的として、活用可能な期間の延長を総務大臣に要望する準備を進めているところであり、これ以外にもあらゆるチャンネルを活用し同様の要望活動を行っております。

この守口市は、過去、財政危機に陥り、全国でも数少ない早期健全化団体水準となったこともあります。財政健全化による持続的な発展の確保もまた市政の重要な命題です。
有利な地方債の活用により、市民の皆様の安心・安全の確保・向上と市の財政健全化推進の両立を図ることは、この観点からも非常に意義深いことと考えます。

そこで、お伺い致します。
先ほど述べさせていただいた様な国の予算措置の状況や施設等を踏まえ、市内全ての小・中学校の体育館にエアコンを設置することで、児童・生徒が安心して学ぶことができるより一層安全な環境を確保するとともに、災害発生時に避難された市民の皆さまの安全・安心も向上させることが必要と考えますが、教育長のお考えをお聞かせ下さい。

併せて、施設の整備に当たっては、イニシャル・コストだけではなく、ランニング・コストも合理化することが重要です。
エアコンの運用について、環境省においては、熱中症を防ぐために温湿度計で室温を正しく測定し、冷房使用時の室温「28℃」を目安に、適切な温度となるように推奨しています。
先ほど例に挙げた箕面市においても、体育館内の室温は「28℃」を念頭においていると伺いました。

一方で、体育館内全てを室温「28℃」にするためには、エアコンの設置台数を多くしなければならず、イニシャル・コストだけではなくランニング・コストも膨大となります。

そこで、箕面市では、エアコン室内機前面にサーキュレーターを配して直線的に、遠くまで風を起こすことで、人が感知できる高さまでのみを急速に室温「28℃」とすることを可能にしました。
そのことにより、エアコン設置台数を適正化するとともに、ランニング・コストも合理化することができたと伺いました。
私も実際に現場を見たのですが、エアコンを稼働してすぐに涼しい風が吹いてきて、涼感を感じることができたことを記憶しております。

エアコン整備には、EHPビルマルチ方式、GHPビルマルチ方式、輻射冷暖房方式等様々な方法があります。
箕面市のように、それぞれの学校の構造、使用人数、使用方法、地形等を踏まえ、最適な手法で整備することで、イニシャル・コスト、ランニング・コストの双方を合理化することが重要と考えます。
これは、学校のエアコン整備だけではなく、すべての公共施設の整備・改修に言えることですが、まずは小・中学校におけるエアコンの整備において、様々な手法によるイニシャル・コスト、ランニング・コストを積算、比較して、最も合理的な手法を選択するという手法の導入を検討するべきと考えますが、教育長のお考えをお聞かせください。

教育長

小・中学校の特別教室への空調設置については、現在、守口市学校規模等適正化基本方針の改訂に併せて策定している学校施設整備計画において、既存校の教育諸条件向上の一つとして、特別教室への空調設置を位置づけております。
また、体育館の空調設置につきましても、より良い教育環境を整えることはもとより、災害時における避難所の環境に係る検討課題の1つであると認識しております。
しかしながら、全校への空調設置につきましては、大きな財政支出を伴いますことから、今後におきましては、国の動向を注視しつつ、本市の財政状況をも踏まえながら検討し、まずは特別教室への整備について、進めて参りたいと考えております。

これまでも小・中学校の普通教室等への空調設備設置の際には、イニシャルコストやランニングコストの比較検討を行い、ガス方式で整備を行ったところです。今後におきましても、施設の状況を勘案しながら、効率的な整備方法を検討してまいります。

水原

簡単ですので自席でお願いいたします。前向きなご答弁ありがとうございました。
避難場所としての体育館の環境向上のためのスピード感のある検討をよろしくお願い致します。